銀座の歯科医院(インプラント・無痛睡眠治療・審美歯科・歯科口腔外科) 医療法人社団 英医会 ティーズ銀座デンタルクリニック Teez Ginza Dental Clinic

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ティーズ銀座デンタルクリニック 院長の田中英生です。

昨日、友人が歯の激痛で急患として来院しました。
無痛麻酔の後、痛む歯の銀歯を外してみると中は茶褐色の虫歯でした。
神経を何とか残そうと手用切削器具で少しずつ虫歯(正確には感染した象牙質)を除去すると歯髄(神経が入っている歯の内腔)が露出したため、そのまま神経を除去(抜髄処置)をしました。これで痛みも和らぐでしょう。

なぜ虫歯がひどくなると激痛になるのでしょうか?
例えば指を切ってバイ菌が侵入してもそこまでの激痛にはなりません。指を切ってバイ菌が侵入した場合、「感染」に対する防御反応として「炎症」が起きます。「炎症」とは発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害を5徴候とする生体防御反応です。
別にバイ菌などの「感染」だけが原因ではなく圧力、摩擦、熱、寒冷などが原因でも起きます。背中が痒くて掻きすぎると赤くなるのも炎症です。
「炎症」とは文字通り、体の中の火事です。火事(炎症)を消すためには消防車(白血球や組織修復因子)が現場に向かわなければなりませんが、1車線の道路(血管)では大量の消防車が通れません。そこで体は道路を3車線くらいに広げ消防車が大量に通るようにするのです。これが炎症における血管拡張です。
火災現場ではガードレールが外され、消防士たちが火事を消しに一斉に向かいます。これを血管透過性の亢進といいます。

血管拡張によって局所の血流が増加することで発赤や熱感が生じ、血管透過性の亢進によって腫脹が起きるのが何となくイメージできるのではないでしょうか。

この時、指や背中では表面的に腫れることで圧力を逃がすことできますが、周囲を硬い組織に囲まれた歯髄の血管は腫れるとお隣にいる神経を激しく圧迫します。
歯が激痛になったとき、心臓の拍動と同じ周期でズキズキするのは、歯髄の内部の動脈が神経を圧迫しているからです。

我々歯科医はこのような症状の歯の場合、歯髄を歯の根元から除去して痛みを取り除きます。
しかし、歯髄を全て除去すると歯の内部を養っている血管も除去してしまうため、安易な歯髄除去はできるだけ避けたいものです。